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                       ——  外语解密学习法 逆读法(Reverse Reading Method)   解读法(Decode-Reading Method)训练范文 ——                 

解密目标语言:日语                                解密辅助语言:汉语
              Language to be decoded:  Japanese             Auxiliary Language :  Chinese  

  
                解密文本:     《失乐园》   (日)
渡边淳一 原著      谢国芳(Roy Xie)译   
 

 

失楽園
                ——
渡辺淳一 


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「怖いわ……」

 その一言が凛子の唇から洩れたとき、久木は思わず動きを止めて、女の顔を盗み見た。

いま、凛子はたしかに久木の腕の中にいる。小柄だが均整のとれた体はふたつに折り畳まれ、その上を男の広い背がおおっている。

ベットのわきの淡い明りをとおして盗み見た凛子の顔は、眉の内側に縦皺が寄り、閉じられた瞼は小刻みに震え、泣いているようである。

まさしくいま、凛子は快楽の頂きにのぼり詰め、果てる寸前であった。女の心と体をとり巻くすべての拘束から解き放たれ、愉悦を貪りながら満ちていく。

その直前に「怖い……」とはどういうことなのか。

これまで久木は何度か凛子と結ばれ、その度にさまざまな言葉で、悦びを訴えるのをきいていた。あるときは「だめ……」といい、「ゆくわ」とつぶやき、「助けて……」と訴えたこともある。そのときどきにいいかたは違っても、凛子の体が悦びの頂点で爆ぜるようにゆき果てることに変りはない。

だが「怖い……」、といったのは、今度が始めてである。

「なぜ?」ときき返したい気持を抑えて、久木はさらに強く抱き締め、どう悶えても逃れきれぬ密着感のなかで、凛子は小さな痙攣を重ねながら行き果てた。

久木が改めてきいたのは、それから数分経ってからだった。

結ばれる前、人妻の慎ましやかさを保っていた凛子は、いまは少し前の乱れを恥じるように、軽くくの字に背を曲げ、胸元から腰のあたりまでを掻きあげたシーツでおおっている。

その円い肩口に顎を寄せてうしろから囁く。

「いま、怖いといった……」

吐く息が耳許に触れたのか、凛子は一瞬ぴくりと身を震わせた返事はない。

「怖いって、どういうこと?」

久木がもう一度きくと、凛子は満ちたあとの少し気だるげな声でつぶやく。

「なにか、体中の血が逆流して外に噴き出してゆくような……」

男の久木には想像できない感覚である。

「でも、いいのだろう」

「もちろんそうだけど、それだけではなくて……」

「教えて欲しいな」

久木がさらに尋ねると、凛子は思い返すように間をおいて、

「あの、夢中でのぼり詰めていくときは、皮膚という皮膚がぞくぞくと粟立つ感じがして、子宮が太陽のように熱く大きくなって、そこから全身に快感が溢れ出して……」

きいているうちに、そんな多彩な変化を巻きおこす女の体が不思議で妖しく、さらには妬ましく思えてくる。

「ここが……」

つぶやきながら、繁みの上の、子宮があると思われる個所に軽く手を添えると、凛子は目を閉じたまま、

「そこまで、あなたは届いていないはずなのに、深く強く刺さりこんで、なにか脳天まで貫かれたような、もうこのままなにをされてもいいような気がして……」

そこまでいうと、凛子は突然しがみつき、久木はその、火照りを残した体をさらに抱き締めながら、凛子の感覚が今日でまた一段と深まったことを実感する。

結ばれたあとはいつも、どちらからともなく寄り添って眠る。このところ二人の形で多いのは、女が軽く横向きになって、仰向けの男の左の胸元に頭をのせ、下半身はさらに寄り添い、両肢を交互にからませる。

いまも二人はその形で横たわっているが、やがて男の右手がゆっくりと女の肩まで延びて背を擦ってやる。一瞬前の奔放さは忘れたように凛子は静まり返り、仔犬のような従順さで目を閉じたまま、項から背にいたる愛撫を受けている。

凛子の肌はすべすべとして柔らかい。それを久木が賞でると、凛子が小声でつぶやく。

「あなたと、こんなことになってからよ」

満ち足りた愛の行為が、女性の体内の血の流れを良くし、ホルモンの分泌を促し、肌を潤わせるのであろうか。あなたのせいだといわれて、久木は満足しながらさらに愛撫をくり返すが、次第に疲れを覚えて指の動きが鈍くなり、凛子も満ちたあとの充足と安堵感のなかで、徐徐に目を閉じる。

むろん眠るときは、二人にとって最も心地よい形で休むが、目覚めると凛子の頭が久木の肩口をおし続けて、うでかが痺れていたこともある。またときには上体が離れ離れになり、下半身だけ絡み合っていたこともある。いまもこのまま眠れば、二人の形がどのようになるか予測はつかない。

だがいずれにせよ、情事のあとの肌と肌とが触れるでもなく離れるでもなく、ほどよく寄り添ってベッドの上で漂う、そんなとりとめもなく、少し乱れて怠惰な感覚に男も女も馴れ親しんでいる。

そんな状態のまま、久木の頭はまだ醒めていて、カーテンで閉じられた窓のほうへそっと目を向ける。

多分、そろそろ六時で、緩やかに弧を描く海岸線の彼方に陽の沈む頃である。

 

二人が鎌倉のこのホテルにきたのは、昨日の夕方であった。

金曜日で、久木は九段にある会社を三時過ぎに出て東京駅で凛子と待ち合わせ、それから横須賀線に乗って鎌倉で降りた。

ホテルは七里が浜ぞいの小高い丘にあるが、夏のあいだ若者で賑わった海岸通りも、九月に入ったせいか車も減り、タクシーで二十分もかからずに着いた。

久木が凛子との逢瀬にこのホテルを選んだのは、東京から一時間ほどの行程で都会から離れて、小旅行をした気分になれるからである。くわえて部屋からは海が見えるうえに、鎌倉という古都の静けさも堪能できる。さらにいえば、ホテルはまだ新しいだけに馴染みの客も少なく、あまり他人の目に触れることもなさそうである。

もっとも久木がそう思ったところで、二人でいるところを誰かに見られないとはかぎらない。久木が勤めている現代書房は出版社だけに、男女のことには比較的理解があるとはいえ、妻以外の女性とホテルに来ていることが知れては、やはりマイナスである。

できることならその種のトラブルは極力避け、他人にうしろ指をさされぬよう、身を処するにこしたことはない。実際、久木はこれまでそのように気を付け、女性のことには細心の注意を払ってきた。

だが最近、とくに凛子を知ってから、久木は必要以上に人目を避け、余計な気遣いをする気が失せてきた。

そのきっかけになったのは、やはり凛子という、最も好ましい女性とめぐり会えたからで、この人と逢うためなら、多少の危険は仕方がないと思うようになってきたからである。そしてさらに、その開き直りのきっかけになったのは、一年前、それまでの部長職を解かれて、調査室という閑職に廻されたからである。

たしかに久木にとって、いまから一年前の人事異動の衝撃は大きかった。正直いってそれまでは、久木も人並みに会社の中枢にいてステップアップすることを考えていた。事実、一年前の五十三歳のころには次期の役員候補と周囲からいわれ、自分でもそんな気持になっていた。

それが突然、昇進するどころか、出版部長を解かれ、誰が見ても閑職とわかる調査室に廻された。その裏には、二年前に社長が交代したことや、社内には社長側近ともいうべき、新しい勢力が台頭していたことへの認識の甘さなどもあったが、すでに異動が決まったから、原因をとやかくいっても仕方がない。

それより久木にわかったことは、ここで役員になるチャンスを逸した以上、二年後には五十五歳になり、もはや永遠に役員になることはありえない。たとえ動くことがあったとしても、さらに地味なポジションに移るか、子会社に出向するだけである。

そう思った瞬間から、久木に新しく見えてくるものがあった。

これからはあまりあくせくせず、もっと自由に生きていこう。どう藻掻いたところで、一生は一生だ。ひとつ視点を変えると、それまで大切であったものがさほど大切でなく、逆に、それまでさほど貴重と思わなかったものが、急に貴重に思えてきた。

部長職を解かれたあと、肩書こそ「編集委員」となっているが、実際には仕事らしい仕事はほとんどない。調それが主な仕事ではあったが、それもいつまでに、といった明確な期限があるわけでもない。査室勤務だから、各種の資料を集め、ときにそこから特集のようなものを組んで、しかるべき雑誌に提供する。

自由だが暇なポストに身をおいて、久木はじめて、これまで自分が本当に心の底から人を恋し、愛したことがなかったことに気がついた。

むろん、これまでも妻をはじめ、他の女性に好意を抱き、密かに浮気をしたこともあったが、常に中途半端で燃えきったという実感がない。

このままでは、人生で大事なことをやり残したことになる。

松原凛子が久木の前に現れたのは、まさしくそんなときだった。

 

 

 

“真可怕……”

这一句话从凛子的嘴唇吐露出来时,久木不由得停止了动作,偷窥女人的脸。

此刻,凛子确实就在久木怀中。娇小而又匀称的身体被折叠成了两截,男人宽阔的后背覆盖在上面。透过床边淡淡的灯光窥见到的凛子脸上,眉内侧紧蹙,出现了纵向皱纹,合上的眼皮频频颤动,像是在哭泣。

凛子此刻无疑即将到达快乐的顶点,正在贪享从一切束缚女人身心的拘束中解放出来后的愉悦奔向高潮。

而就在此刻她说“真可怕……”,这是怎么回事呢?

迄今未至久木已和凛子多次交合,每次都听到她用各种各样的词语诉说欢愉。有时候说“不行了”,有时候呢喃“到啦”,也有说“救……我……”。尽管每次说法不同,但凛子的身体处于快乐的顶点、享受爆裂般的高潮是不变的。

可是说:“真可怕……”却是破天荒头一回。

久木抑制住想问为什么的心情,更加用力地将她抱紧。在不管怎样扭动身躯都无法逃脱的紧贴感中,凛子反复着小小的痉挛达到了高潮。

久木再次向她发问,是在经过几分钟之后。

在发生关系前一直保持有夫之妇的谨慎的凛子,此刻似乎为刚才的放荡感到羞愧,微微把背脊弯成弓形,拉起被单盖住了胸口到腰一带。

久木从后面将下巴贴近她浑圆的肩头低语。

“刚才你说可怕……”

也许是久木呼出的气息触到了耳根吧,凛子刹那间抽动了一下,晃了晃身子,但没有回答。

“你说可怕,是什么意思?”

久木再一次问道,凛子用满足后好象稍稍慵懒的声音呢喃:

“好像体内的血液倒流向外面喷出一般……”

这是身为男人的久木无法想象的感觉。

“可是,感觉很好吧?”

“当然,而且不只是好……”

“我想听听看!”

久木再一次问道,凛子仿佛在仔细考虑似的停顿了一下,

“这个,就在不顾一切地逼近高潮时,感觉全身的皮肤都跳动着起鸡皮疙瘩,子宫像太阳般变得又热又大,从那里散发出的快感涨满全身……”

久木听着,渐渐觉得能产生如此多姿多彩的变化的女人身体真是匪夷所思、魅力无穷,进而又让人嫉妒。

“这里……”她一边将手轻轻地搭在那繁茂处以上、子宫所在的地方,一边闭着眼睛呢喃:

“虽然你应该没达到这儿,但是我却有那种被深深地强烈地刺入,仿佛贯通头顶,心想就这样随他去算了的感觉……”

说到这里,凛子突然紧紧地搂住久木,久木也再次抱紧她那残留情热的躯体,切身感到凛子今天的感觉又更深了一层。

每次欢合以后两人总是自然而然地依偎而眠。这时候的姿势大多是女人微微侧身,把头放在仰卧男人的左胸口上,下半身则更加紧贴,双腿相互缠绕在一起。

此刻两人也是这样躺着,没多久,男人的右手缓缓伸至女人的肩膀摩挲她的背。凛子似乎忘记了顷刻前的放荡,变得毫无声息,像小狗般温顺地闭着眼睛,接受久木从颈项直到背部的爱抚。

凛子的皮肤光滑柔软,久木一赞赏,凛子就小声嘀咕:

“是跟你这样以后才变的。”

是心满意足的做爱改善了女性体内的血液循环,促进荷尔蒙的分泌而滋润了肌肤吧?听她说“都是你的缘故”,久木很满意,又反复爱抚她,但渐渐觉得有些疲劳,手指的动作变得迟缓,凛子也在满足后的充实与安心中慢慢地闭上了眼睛。

睡眠时自然是采取对两人来说都最惬意的姿势,可也有时候醒来后凛子的头还继续压在久木的肩头,令他胳膊发麻。有时候也有上身分离、只有下半身相互缠绕的情形。现在两个人姑且就这么睡着,料不定以后会变成什么姿势。

但不管怎样,在性爱之后肌肤与肌肤若即若离、恰到好处地偎贴着漂浮在床上,这种漫无边际、略带迷乱与慵懒的感觉,是男人和女人都熟悉和喜欢的。

在这种状态下,久木的脑子还清醒着,他把目光悄悄地移向窗帘紧闭的窗户方向。

大概快六点了吧,正是太阳在描出弧形的海岸线彼岸缓缓沉落的时候。



两人是昨天傍晚来到这家镰仓的宾馆的。

周五三点多,久木离开位于九段的公司,和凛子约好在东京火车站见面,然后搭乘横须贺线在镰仓下车。

宾馆在七里滨畔一个不太高的山岗上,夏季这里是年轻人蜂拥而至的海岸通道,进入九月后,车就减少,坐的士用不了二十分钟就到了。

久木之所以选择这家宾馆和凛子幽会,是因为这里距东京约一小时左右的路程,能产生离开都市作短途旅行的心情。加上从宾馆房间可以看见大海,也能享受古都镰仓的静谧。再说,这个宾馆还是新的,熟客也少,不太容易被别人看到。

不过,即便久木这么认为,也难保不被谁看到两人在一起。正因为久木供职的现代书房是出版社,对男女之事可以说比较宽容,然而让人知道他和妻子之外的女人上宾馆,总还是不利的。

能做到的话最好尽量避开这种麻烦,不要被别人在背后指指点点。事实上到目前为止,久木一直都很注意,在女人问题上小心翼翼。

可是最近,特别是认识凛子以后,久木渐渐失去了徒劳的避免旁人注目的担忧。

导致这一转变的契机,还是因为邂逅凛子这个他最喜欢的女性之后,觉得倘若为了和她见面,那么冒或多或少的风险也是没有办法的事。另外还有一个让他突然改变态度的机缘,则是一年前被解除了一直担任的部长职务,调到了调查室这个闲职。

对久木来说,一年前的人事变动的打击的确很大。说实在话,这之前久木也和普通人一样,一心一意想着在公司核心一步步往上爬。实际上,一年前当他五十三岁时,身边的人都说他是下一任董事候选人,连他自己也这么觉得。

可后来非但没有晋升,反而突然之间被解除了出版部部长的职务,调派到任谁看来都是闲职的调查室。在这背后,也有他对两年前社长更换、和社内一批可以说是社长亲信的新势力兴起的形势认识不足,但调动已经决定,再去就原因说长道短也无济于事了。

更重要的是久木明白,这次既然失去了成为董事的机会,两年后就五十五岁,已经永远不可能升上董事了。即使再有变动,也只是转移到更冷清的位置,或者调派到子公司罢了。

这么一想,久木蓦然觉得新看清楚了许多东西。

从今往后不用太忙忙碌碌了、更加自由自在地生活吧。即便怎样挣扎折腾,人都只有一辈子。

改变一下视角后,迄今为止重要的东西就不那么重要了,相反,一直不觉得那么珍贵的东西却突然之间觉得珍贵起来。

被解除部长一职后,头衔虽然变成了“编辑委员”,但实际上几乎没有像样的工作。因为在调查室上班,就收集各种资料,有时从中编排出类似专辑的东西提供给适当的杂志。这些虽然是他的主要的工作,但并没有明确的交差期限。

身处自由而又空闲的职位后,久木才第一次发现自己迄今并没有真正从心底爱上过谁。

当然,这之前他对于妻子以及别的几个女性,也抱有好感,甚至也曾偷偷地搞过外遇,但常常浅尝骤止,从来没有切身体会过那种整个身心燃烧起来的感觉。

照这样下去,他的人生将留下最大的遗憾。

松原凛子正是在这个时候出现在久木面前。

 

 

  




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